可也山からの帰り道、ハグキからtel。
「とんでもないことになっとうよ、ヤナさんが死んだって唐津署から電話があった」
から始まったヤナが死んだ騒動。
すぐに唐津署に電話。ボクは同僚であること、友人であることを告げると糸島にいるならすぐにココに来てくれといわれる。
驚いてたわりには冷静だったのか、上司とリンに電話。
「おまえ~、うそつくなぁ~」と泣きそう声で言い返してくるリンが印象に残っている。
唐津署から実家の連絡先が知りたいと言われていたので、104で弥永商店を調べるとすぐに電話番号がわかってしまった。
警察から電話があるのと、今すぐボクから電話あるとのどっちがいいか一瞬悩んだけれど、ボクは実家にダイヤルした。
「とおるくんの同僚です。ボクも今聞いてびっくりして動揺してるんですが、唐津署からとおる君が遺体で発見されたと連絡がありました。ボクは今唐津署に向ってます。向こうの状況がわかり次第連絡しますので・・・。ボクの携帯番号は090・・・」
唐津に向っているボクの携帯が鳴った。ちょうど浜玉有料道路を降りたところだったので行列待ちのステーキ蜂の駐車場で電話をとるとヤナの兄からの電話だった。
お兄さんも動揺してるらしかったけど、今福岡にいるので八幡の親父を拾うより先に唐津に向うってことを言っているようなだった。
唐津署につくと取調室でヤナが死体で発見されたときの状態と聞かされ、逆に死んだヤナのことをコト細かく聞かれる。
仏様の持ち物ですと、きたない紙袋とアイツがいつも持ち歩いていたモンベルのアタックザックを見せられる。
中には年明けてやる予定だったバンド系のイベントのマグジャムの楽曲の楽譜がはいっていた。
ヤナが死んだだってちょっと実感して泣きそうになる。
取調室に上司のG氏登場。ヤナのアル中治療で一番頑張ったのはこの人。しょせんボクらはヤナの酔っ払い状態が好きでどっかヤナのハチャメチャと期待していたんだと思う。
ロビーでボケっと。なんか現実感がなくて・・・。
22時ごろおとーさんが到着。ようやく遺体との対面。
アルミ合板の上でカチカチになってるヤナ。
ムラサキの顔で血が通ってないヤナ。
マジ、死体になってるヤナがいました。
ボクは今まで張り詰めていた気持ちが決壊するように、「ヤナ、ヤナ、オマエなんしょうとやっ、ふざけんなっ」と泣きながらアイツを責めていました。