目が覚めると、川が流れる音が耳にやさしく。もう一度、眠りに引きずり込まれそうになるが、蓑虫のようにファスナーをビッチリ閉めた寝袋から身体を引きずりだした。
あたりはまだ真っ暗で、時間が全くわかない。手探りで、ヘッドランプを見つけ、テントから這い出て、テーブルの上の携帯を開く。
4:35
昨夜は早々に寝てしまったせいで、中途半端な時間に目が覚めてしまった。
南阿蘇の早朝はブルっと振るえるぐらい寒い。ゴソゴソとストーブを取り出し、ペットボトルのお茶をコッヘルに注いで沸かす。
幸い、ぐっすり眠れたようで、二日酔いもしていない。お茶が徐々に身体を温め、次第に気分もよくなってくる。
「そうだ、久住へ行こう」
(というのはウソで昨夜から久住に行くつもりだった)
南阿蘇のキャンプ場から瀬ノ本経由で30分もかからずに牧ノ戸登山口まで着くはずである。
残りもののおにぎりをお茶で流し込み、まだ明けきれぬ高原を車で走る。次第に空が濃いグレーから、薄いグレーに変わり、山々の輪郭が浮かび上がってくる。
牧ノ戸登山口でちょうど、三俣山の山頂から朝日が刺しているのが見えた。
早朝5時。誰もいないと思いきや、パラパラと中高年のハイカーの姿がある。この人達はナゼこんなに朝早くから登山口にいるのだろうか。
荷物は500mlのペットボトルだけという身軽さで沓掛山へのコンクリートの急坂を一気に登る。
沓掛山から見る阿蘇連峰は残念ながら雲の覆われ、かろうじて根子岳の峰が雲の上に顔を出してるのみ。
沓掛からはゆるやかなアップ&ダウンのトレッキングコースを歩く。
気持ちいい~
誰もいなかったら、大声でSASの希望の轍を歌いたくなる。もしくはDBのロング・トレイン・ランニン
約1時間半で久住別れ着。目の前にそびえる峰久住山を登頂しようかどうか迷ったのが、霧で少年が行方不明になったことなんかを考え、登頂は断念。
ピストンで牧ノ戸へ戻る。途中、7時台というのに多くのハイカーとすれ違う。必ず「早いね~、もう登って帰りようと?」と聞かれる。「久住別れまでで戻ってきた」とも言えず、「ハイ」と小声で答え、足早にその場を去る。
つかの間とはいえ、久住ハイクが出来大満足。
やっぱ久住はええわぁ。来週2日も行っちゃおうかなぁ・・・。
久住から戻るとキャンプ場は俗世界。コールマンの展示会かよっ!(オレもやけど)